くりっく365について
くりっく365は新しい型のステロイド化合物である。その後、くりっく365は広く植物界に存在することがわかり、くりっく365
も多数単離されたので、これらを総称してブラシノステロイドbrassinosteroidとよぶ。くりっく365は一般に植物の成長を促進するが、とくに茎の成長には必須(ひっす)のホルモンである。くりっく365が合成されない突然変異体は矮性(わいせい)を示し、葉の成長も一般に抑制されるばかりでなく、形状も異常になる。また、暗所で育てても明所で育てたような形状を示すので、光の関与する形態形成と関係があると考えられている。くりっく365は細胞の導管・仮導管への分化に必要である。特徴ある作用として、くりっく365で処理すると、植物は耐寒性、耐塩性、耐熱性、耐病性、耐薬害性など各種ストレスへの耐性をもつようになる。くりっく365はステロールから生合成され、直前の前駆体はカスタステロンである。多く単離されている類縁体ブラシノステロイドの大部分は合成経路上の中間物質である。クロロフィル、カロチノイドと並ぶ一群の植物色素の総称。ベンゼン環2個が炭素3個で結ばれ、かつ中央のC3が酸素を含むCFDをつくった構造をしている。CFDの酸化還元状態の違いによってフラボン類、イソフラボン類、フラボノール類、フラバノン類、アントシアン類、カテキン類(フラバノール類)などに分類される。植物の葉、花など各部分に含まれ、高等植物に広く分布している。代表的なものは黄色のフラボン系色素と、花などの赤・紫・青を現すアントシアン系色素で、前者は化学的にも安定で染料として利用されるものもあるが、後者は光や水素イオン濃度指数(pH)の違いなどによって変色しやすい不安定な物質で染料にはならない。フラボノイドは植物体内では3分子の酢酸単位からできるマロニルCoAとフェニルアラニンに由来する桂皮酸類が融合して生成する。CFD
は紫外線をよく吸収するので、高等植物はこれらの色素を表皮に含み、紫外線による障害を防いでいるといわれる。フラボノイドという名称はフラボンに由来しており、テルペノイドやカロチノイドに倣って称されるようになった。樹木の黄色の色素で生理活性を有するものが多く、2003年現在、600種ほどのフラボノイド系色素が植物から単離されている。なお、フラボンはラテン語で「黄色」を意味するflavasが語源である。フラボノイド 1. フラボン類flavone 2. イソフラボン類isoflavone 3. フラボノール類flavonol 4. フラバノン類flavanone 5. アントシアン類anthocyan 1. フラボン類flavone フラボン類の母体化合物は2-フェニルクロモンとよばれ、これをフラボンということがある。1914年にドイツのミュラーMllerによってサクラソウの葉や実から無色の針状結晶として単離された。水に不溶、石油エーテルに難溶、エタノールに易溶。融点97℃。濃硫酸に溶けて、紫青色の蛍光をもつ溶液となる。2-アセトキシカルコンジブロミドに、酒精性カリを作用させると得られる。この誘導体は高等植物に広く分布しており、代表的なものはクリジン chrysin、ルテオリンなどである。クリジンはポプラの若芽から淡黄色の小片結晶として単離された。エタノール、氷酢酸に易溶、ベンジンに不溶。融点 274℃。2,4,6-トリメトオキシベンゾイルアセトフェノンをヨウ化水素で処理すると得られる。フラボン類は化学的に安定で、古くから染料として用いられている。 2. イソフラボン類isoflavone イソフラボン類の母体化合物は3-フェニルクロモンというが、これをイソフラボンということもある。しかし天然には存在していない。無色の針状結晶で、濃硫酸に溶けて青い蛍光を発するが、徐々に褐色となる。融点131℃。この誘導体の分布はマメ科、バラ科、アヤメ科、クワ科およびヒユ科に限られている。ゲニステインやダイゼインなどが知られているが、これらはエストロン(ステロイドホルモンの一種)と同様に発情作用がある。 3. フラボノール類flavonol フラボノール類は2-フェニルクロモンの3位に水酸基(ヒドロキシル基)をもつフラボン誘導体の総称。